SSブログ

『海がきこえる』みんなの感想を読んでみた [おすすめ本]

前回,『海がきこえる』の感想を書いてから,うーん自分の書きたいことってこんなんだっけ….とうじうじ思いました.

この本,すてきなんです.でも,それを伝えられてない.…

で,みんなはどう思っているんだろう? と気になって,検索してみました.参考になったのはAmazon.co.jpの中にあったカスタマー・レビューですね.

海がきこえる (徳間文庫)

海がきこえる (徳間文庫)

  • 作者: 氷室 冴子
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 1999/06
  • メディア: 文庫

# みんな,なぜか,私の好きなイラスト表紙の単行本ではなく,文庫のほうにレビューを書いているんですね….

淡々と進む物語なのに,飽きない,なつかしい,自分の高校時代の葛藤やなんかを思い出す.そんな感想が多かったですね.確かに,確かに.

氷室冴子さんのストーリー・テリングのすばらしさに言及している人も多かったです.そうでしょ,そうでしょ.

理伽子に共感している人はあまりいなかったですね.やっぱりそうかぁ.…

なんていうか,昔の不器用だった自分を振り返って「あのころはあぁだったよなぁ」,と赤面と懐かしさとが入り交じって戻ってくるというか,そういう小説なんだと思います.
そう思うと,理伽子がいかにも「理想のガール・フレンド」っぽいところも許せちゃうし.「つまり,この作品は,あくまでも杜崎 拓フィルタを通した過去への追想なわけね」,って.

ちょっと,松任谷由実の「自分フィルタ」に近いものを感じます.彼女も名曲『卒業写真』で,

「人混みに流されて変わっていく私を あなたはときどき遠くで叱って」

と歌っています.これは,”あなた”は変わらない,という(自分勝手な)思い込みに基づいたメッセージであり,この”あなた”は,卒業アルバムの中の(いわば,過去そのままで固定した)”あなた”なわけです.
実際には,”あなた”もまた人混みに流され(あるいは成長して),変わっていくわけで….不器用な,でもまっすぐな,かつてのあなたではないわけで.でも,”私”にとっては,実際の”あなた”のありようが問題なのではなく,過去そのままで固定したあなたさえそこにいてくれれば,それでいい.…そんなことを感じます.

それから,WikiPediaなんかで「アニメージュ連載から単行本化されたときに,大きく変更された部分がある」と書いてあったのが気になっていましたが,それについても,南洋駄菓子本舗さんの「海がきこえる~幻の四万十編を追う③」を読んで,謎が解けました.

なるほど~.そうだったんですね.

でも,単行本は単行本で,とても素敵な読後感だと思いました.

うーん....アニメより小説のほうが好き,という人が多くカスタマー・レビューを書いていたので,もうアニメは見なくてもいいかな,という気分になってきました(笑).


タグ:氷室 冴子
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。