気軽に書く分だけ薄くなった [ことば]
ブログのシステムに乗っかってデザインを選べばよくなった時代から,
SNSですべてレイアウトは整えられており,タイトル写真をアップロードするだけでそれらしくなった時代へ.
ちょっと言いたいだけならTwitterで十分になり,
友達同士とならLINEで言い合えば十分になり,
打つ文字数は増え,言いたいことは練らずにそのまま垂れ流しになり,
浅漬かりのことばが増えたように思います.
十分発酵させることなしに表に出して,それでなんとなく満足してしまっている.
夏休みの読書感想文や定期テストの小論文などで,構成を整えてから原稿用紙に向かい,一気に書き出していた経験がなつかしいです.
ろくに推敲せずにさらっと書いてしまっているものだから,
たいした文章になっていなくてすみません.この文章もしかり.
坂口安吾にハマリ中 [ことば]
坂口安吾の『堕落論』を読み始めました.
最初は,私の苦手なとある知人Aさんを思い出してしまい,読むのにいちいち抵抗があったのですが,
途中からAさんでなくKさんのイメージに変わったら,なんだかぐいぐい惹き込まれて読めるようになりました.
不思議.
坂口さんの,地に足を着けて物を見ようという姿勢にとても共感します.
そして,作品の中で提示された,宮沢 賢治の遺稿『眼にて云う』――.これがすばらしいです.
http://www.maniado.jp/community/neta.php?NETA_ID=1469
だめでしょう とまりませんな で始まるこの詩に,すっかりやられました.
宮沢 賢治の言葉は,嘘のようにきれいですが,心からの言葉のように思います.
私のような俗人には,とても,とても… と思うところから文学ができるのだと思うと,なんだかほっと嬉しくなります.
長く書きたいときは,短く書く [ことば]
「ことばが多すぎる.
長く書きたいときは,短く書く.そうすると,その短いことばに重みがある」
….
上を見ればきりがない,下を見てもきりがない [ことば]
もうすぐ長男が小学生です.
先日,保育園の父母懇談会があり,小学生になる前の今,何が不安か,何で困っているのか,という話をしました.
「時計が読めないのに,朝ひとりで家を出られるのか?」,「身支度や忘れ物チェックなど,ひとりでできるのか(今はできていない)」,「運動量が多くてひるねなしで,体力的に持つのか」,「幼稚園の子どもと比べて“お勉強”で遅れを感じないか?」など,みんな大小さまざまの不安を抱えていることが分かりました.
かくいう我が家も,「あーうちもこれできてないなぁ」と思うことが多数.
慌てて「あと2カ月でできるようにさせなきゃ!」と思うと,気持ちはずいぶん焦るんですが.
まあ,焦らなくても少しずつ身につけていけばいいよね….
と,保育園の先生とのお話で,思いました.
かくいう私だって.
それなりの年月を働いてきているのに,思ったほど自分の能力が伸びていないような….思いっきり働けていないような….いまだに基本ができていないような不安さえもありますし.
でも,焦ってもしょうがないんですよね.
少しずつできることを増やしていこう.焦らずに.
そんなことを思いました.
ふと,新鮮な「俳句」の世界 [ことば]
外山滋比古さんの名前を久しぶりに聞いて,「そう言えば,高校受験のときに論説文の問題でお世話になったなぁ.けっこう良いこと言ってたなぁ」と思い,もう一度手にとってみました.
この本では延々と,俳句の「切れ字」について述べているのですが,あらためて読んで「なるほど!」と思いました.
切れ字,つまり,「や」とか「かな」は,そこで大きく間をとっている,
その「間」で作者の感動を示し,読み手が想像力を働かせる余地を残している,ということなんですね.
そう,俳句を鑑賞するときは,切れ字のところで大きく間をとるとよいのだ!
感慨を込めて切れ字をうたいあげるとよいのだ!まるで演劇のように!
ということに,気付いたのです.
つまり,「古池や~蛙(かわず)飛び込む水の音~」ではなく,
「古池や!
…
蛙(かわず)飛び込む 水の音」
と読めば,もともとの意図が汲み取れるのでは,と.
くろねこ@国語塾 さんの「俳句授業・実況中継(6)~切れ字・句切れ」
http://toto.cocolog-nifty.com/kokugo/2004/10/post_3.html
にも似たようなことが書いてあるかと思いました.
この本でもっとも感心したのは,以下の句です.
「岩鼻やここにもひとり月の客 去来」
芭蕉のお弟子さんである去来の句だそうですが,この句の解釈について,作者である去来と読み手である芭蕉の解釈が異なり,読み手の解釈のほうが優れていたとか.
なるほどね~.
俳句って奥が深いですね.
俳句も作りたくなりました.
連歌もいいですよね!
会社川柳〜上司からのメール [ことば]
上司からの 返信メールは いつだって たった一言 「了解しました」
# 逆に言えば、いつもそれで答えられるようなメールを私が送っている、というわけで…。
「人間の味がする」?! [ことば]
以前見かけた某ソフトウェア会社の広告のキャッチ・コピーは「人間の,味がする.」だった.そばには高く積み上げられたアイスクリーム・コーンの写真が.
人間味がある,と言いたいんだろうけど,…人間の「味」がしちゃあ,いやだよねぇ.
だれだ! こんなコピーを考えた/通したのは!
…と思ったら,東京放送(TBS)の過去のキャッチ・コピーも「人間の味がする」だったそうです(WikiPedia参照 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E6%94%BE%E9%80%81).むー….
書いた文章は,提出する前に読み直しましょう.
自戒も込めて.
流行語や流行ギャグを口にする気恥ずかしさ [ことば]
はやり言葉を聞くのは嫌いじゃないけれど,自分で口にするのにはものすごく抵抗があります.
最近,立て続けに「どんだけ~?」というせりふを聞いたので,あ,流行ってるんだな,と思ったのですが,とてもとても私の口からは….
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/abc/newword/070516_1st/
顔文字メールだって,1990年代からずっと「私は使わない」ことを貫き通してきたけれど,ケータイ・メールのやりとりで,やっと使い始めました.短い言葉だとニュアンスに誤解が生じやすいから,それを丸める意味で.
# 長く書けるなら,言葉で説明できますから.
なんで,私は恥ずかしいと思うんだろう.きっと「慣れて」いないからなんだと思いますが.
子どもの口癖とかは,すぐ移るのにね.
今日の雑感でした.
梁塵秘抄を読む [ことば]
NHKの幼児番組「にほんごであそぼ」で時々取り上げられる「梁塵秘抄」を読んでみようと思って,手にとりました.
梁塵秘抄は,後白河法皇(1127~1192)が集成した「今様(いまよう:流行歌)」歌謡の珠玉集,だそうです.流行歌とは言っても節(メロディー)は残っていないのですが,ことばが面白かったり,五・七・五・七・七のリズムだったりして,それなりに楽しめそうだな…と思って,図書館で借りてみました.
選んだ本が悪かったのか,解説はほとんどなく原文のみだったので,読める部分だけ拾い読みしました.
・秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞ驚かれぬる 五
・遊びをせんとや生まれけむ,戯れせんとや生まれけん,遊ぶ子供の声聞けば,我が身さへこそ動(ゆる)がるれ. 三五九
などにやはり惹かれました.
次に読むときは,解説のついた本にあたりたいと思います.