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男女の機微が分かって読むとめちゃめちゃ面白い,夏目漱石『虞美人草』 [おすすめ本]

虞美人草 (岩波文庫)

虞美人草 (岩波文庫)

  • 作者: 夏目 漱石
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2000
  • メディア: 文庫

この作品は20代前半のころに読んだのですが,けっこうおもしろいよね,装飾的な文章できらびやかだよね,というような印象で留まっていた気がします.

今読むと,まるでトレンディ・ドラマのようなというか,男3人女3人の男女の機微が実に見事に描き分けられていて,ぐいぐい引き込まれます.
男性陣で言うと,しょぼくれ役の小野さんは小物だけどかわいらしい人だし,宗近さんは実に頼もしいですね(NHKの朝の連ドラの2枚目役みたい).私はけっこう飄々としつつ悩んでいる甲野さんが好きです.
女性陣で言うと,嫌われ役の絶世の美女 藤尾にも憧れる気持ちもあるし,気丈な糸子さんは素直に好きだし,たおやかでつつましい小夜子さん(この人もなかなかの美女)も素敵です.
さて,この人たちがいったいどんな展開になるか….息をのみつつ読み進めています(まあ,結末は知ってはいるのですが).

そうそう,20代前半に読んだときには,藤尾への反感(やっかみ?)と小野さんへの侮蔑,作品中に出てくる男女差論への反感ばかりを感じたような気がします.私も少しは大人になったのでしょうか.


タグ:夏目漱石
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