みごとな伏線に感心,『扉のむこうの物語』 [おすすめ本]
作者の岡田 淳さんは,「挿絵も描ける小説家」とでも読んであげたい方です.もともと,こそあどの森シリーズ(『不思議な木の実の料理法』など)で岡田さんの作品を知り,シリーズを夢中になって読んだあと,「この人のほかの作品はどんなものなんだろう?」と思い,この本を手にとってみました.
主人公は小学校6年生の行也(ゆきや)くん.おそらく,読者対象は小学校高学年なのでしょう.レッテルを貼る(死語?)とか,正義・真実・平和の名のもとにとか,分かりやすい比ゆが出てくるのも,きっとそのためでしょう.ちょっと「分かりやすすぎる」気もしますが,ひらがな50音表や過去の思い出とのリンクなど,後から「なるほど! そうきたか!」と思うところが多く,楽しく読み進められます.
また,物語の終わりかたが絶妙だなと思います.語りすぎず,少なすぎず.
この人の作品,もっと読んでみたいです.
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